秋に植え付けたイチゴは、冬は休眠に入り、春になると白い花が咲き、実を結びます。 |
用意するもの
プランター栽培の場合
・イチゴ苗 2本
・野菜用培養土(元肥入り) 12L程度
※ 肥料入り培養土「キッチンガーデン イチゴ用」が、おすすめです。
・深さ20cm程度の浅めのプランターやストロベリーポット等
・鉢底網(底に穴があるプランターの場合のみ)
・土の被覆用(マルチング)資材 秋冬:黒ビニール 等 夏:ウッドチップ 等
・スコップ等
準備
葉の色が濃く、全体にがっちりした苗を選びます。
畑栽培の場合
植え付けの1週間前までに作業を完了します。
イチゴの根は浅く張るので、土が硬い場合は培養土をいれるなどして、通気性・保水性を兼ねるように改良します。
堆肥や有機肥料と苦土石灰を少量まき、水はけが悪い場合や果実を土にふれないように浮かせたい場合は15~20㎝の高畝にします。
植え付けを待ちます。
土が乾燥しすぎる場合、植え付け2~3日前までにたっぷり水をかけて湿らせておきます。
STEP 1 植え付け
日当たりと風通しのよい所に植え付けます。
秋・冬・春は雨があたりにくい軒下など、夏はイチゴは涼しい環境を好むので、やや日陰になる場所が適しています。
株間は30㎝程度が目安です。
(1) あらかじめポット苗にたっぷり水をやります。
(2) プランターに、野菜用培養土等をいれ、あらかじめポットと同じ大きさ・深さの穴をあけます。
根を崩さないように注意して苗をポットから出し、植え付けます。
ランナー(根元からでてくる茎)の切れ端がある場合は、切れ端の反対側に実がつくので、反対側を日当たりのよい方向に向けて植え付けます。
苗を2本以上植える時は、向きをそろえます。
(ランナーの切れ端については、ワンポイント内の写真をご覧ください。)
浅いプランターを使用する場合は、鉢底石は不要です。
ストロベリーポットなど深いものを使用する場合は、使用してもよいでしょう。
プランター栽培では、苗2本に容量12L以上が目安です。
(3) 植え付け後は、苗のまわりの土をおさえ、なじませます。
- 深植えは禁物。クラウンを埋めないように!
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株元の葉の付け根(クラウン)が、土に隠れないように浅めに植え付けます。
STEP 2 土の被覆(マルチング)
植え付けがすんだら、マルチング資材を利用し、株まわりの土を覆います。
マルチングをすると、保温・保湿・病気予防等に役立ち、またイチゴができたときに土と接触するのを防ぎます。
[秋・冬] 黒ビニールやシキワラ等 (保温効果のあるものがおすすめです)
[夏] ウッドチップやシキワラ等 (保湿効果のあるものがおすすめです)
ミズゴケ・アルミの保温シート・ワインのコルク等、お好みのものでどうぞ。
春以降、暖かくなってきたら、通気性に注意し蒸れないように注意しましょう。
STEP 3 水やり
植え付け後は、苗の様子を見ながら、しばらく水やりを控えます。
そうすると根が広く張ります。
土が乾いていたら、朝に鉢底から水が流れるくらいたっぷり水を与え、日中しおれないようにします。
イチゴは根の張りが浅く乾燥に弱いため、プランター栽培の場合、過度の乾燥に注意しましょう。
冬期は生長が一時的にとまりますが、水やりは継続します。
畑栽培の場合
朝・夕の涼しい時間にしおれがない限り、水やりはあまり必要ありません。
- 真冬の寒さ対策
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イチゴは寒さに強いのですが、長い間、雪に埋もれたり霜にあたると枯れてしまうことがあります。
マルチングをしたり、寒さが厳しい時は苗の上に寒冷紗などをかけて保温するとよいでしょう。
STEP 4 枯れ葉・花・ランナーの摘み取り
枯れて茶色くなった葉は病気予防のため、根元から摘み取ります。
秋から冬の間や、春植えのイチゴの収穫前の時期などに出てきたランナー(株元から出てくる茎)や花芽も摘み取り、株の充実をはかります。
秋から冬にかけて花が咲いても寒さで実がつかないので、思い切って摘み取りましょう。
STEP 5 人工授粉
暖かくなり、花が開花したら、筆や綿棒で花の中心をやさしくなでるようにして人工授粉をすると、形のよいイチゴができます。
大きくならなかったり、奇形になったイチゴは早めに摘み取り(摘果)し、残りのイチゴの充実をはかります。
人工授粉は晴れた日の朝9時頃までにするのがおすすめです。
STEP 6 追肥
春植えの場合、1回目の収穫が終わったら、3週間に一回程度、肥料を少量与えます。
秋植えの場合、3月頃、新しい葉が伸び始めたら1回与え、その後は春植えと同様に与えます。
与えすぎは禁物です。
用量を守りましょう。
※ 肥料入り培養土「キッチンガーデン イチゴ用」を使用した場合、1年目に必要な肥料が入っています。
翌年も栽培する場合は、「キッチンガーデン 有機質入り肥料 トマト用」などで、追肥をします。
畑栽培の場合
植え付け前にいれた肥料が多い時は追肥は不要です。
葉の色が淡くなったり、葉が小さい時には水やりをし様子を見ます。
回復しない場合は追肥をします。
STEP 7 収穫
真っ赤に完熟したものからタイミングを逃さずに、収獲します。
鳥や小動物に狙われることがあるので、実が大きくなったら白いうちに、苗全体に鳥よけネットなどをかけて保護します。
イチゴの実の部分だけに排水口用ネット等をかけ、せんたくばさみでとめるのもおすすめです。
ただしカラスなど大型の鳥対策には、鳥よけネットがよいでしょう。
真夏の暑い時期は開花や収穫が一時的にお休みになることがありますが、水やりを忘れないようにします。
またプランター栽培の場合は涼しい場所へ移動しましょう。
- ランナーを使って翌年の苗作り
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収穫が終わったイチゴから伸びるランナーを使って苗作りをしましょう。
病気のない健康な株(親株)を選び、そのランナーを別のポットに受けて育成します。
ランナーが根付くように針金などで固定してあげるとよいでしょう。
また1番目の子苗が根付いたら、さらにランナーを伸ばして作った2番目以降を採るのがおすすめです。
子苗が十分に根付いたら、ランナーを切り離し、雨があたらない軒下などで管理します。イチゴは多年生の植物ですので、親株も上手に栽培すれば翌年以降も収穫が期待できます。